今時のバイクはセルボタン一発始動が当たり前ですけど、私のベンリィCD90や、カブ仲間の古カブたちは、古き良き時代のキックスタートです。
(スーパーカブのキックペダル)
普段あんまり乗っていないと、久しぶりに乗るときに、エンジンを始動させるのに往生しますね。
冬の寒いときはガソリンが気化しにくいので、特にかかりにくくなります。
先日はエンジンがかかるまで300回くらいキックして、非常にくたびれました。
しかし、だんだんとコツがつかめてきましたので、メモしておきます。
Contents
キックスタートのやり方
エンジンが冷え切った状態では、いきなりガツンとキックペダルを踏み込んでも、かかりません。
手順があります。
チョークレバーの使い方
キックする前に、まずはチョークレバーを引きます。
スーパーカブはハンドルの左側グリップに、上からライトのスイッチ、ホーンボタン、チョークレバーがついています。
ベンリィのチョークレバーは、タンクの下、燃料コックの下についています。
ベンリィの場合は、引くというより回す感じになります。
チョークレバーを引くと、エンジンに送られる空気の流れが絞られますので、吸気のガソリンの混合率が高くなります。
燃料の混合ガスのガソリンの割合が濃くなると、気化しやすくなり、点火しやすくなります。
例えるなら、バーベキューの炭を燃やすのに、最初は燃えやすい割り箸を投入するようなものでしょうか。
これは最初が肝心でして、なんどかキックに失敗したあとでは、点火プラグがかぶってしまうのか、チョークを引いたところで、手遅れになります。
スタンドを立てる
キックに失敗しないように、センタースタンドを立てて、バイクに跨ります。
足の力だけでキックするより、バイクにしっかり乗っかって、体重をかけたほうが、力強くキックしやすいからです。
すでに走っていて、コンビニなどによった後、再び始動するときなんかは、べつにそんなことをしなくてもかかりますが、最初の始動は慎重に行いたいです。
ギアはニュートラル
ギアはニュートラルにします。キーを回すと緑のランプが点きます。
ベンリィの場合は、ニュートラルにしてクラッチは繋いだ状態にします。
クラッチを握った状態では、キックペダルはギアの噛み合わないスカスカの状態になってしまうので、エンジンがかかりません。
キックペダルの踏み方
まず、キックペダルを軽く、カツカツと、少しだけ踏み込んで、しっかり抵抗がかかるところで一旦止めます。
手応え(足ごたえ)のない位置からキックしても、スカッと空振りで、うまくかからないからです。
足ごたえのある位置を確信しましたら、両手でハンドルのグリップを握り、用心のためフロントブレーキは握っておいて、ペダルに体重を載せて一気に踏み込みます。
パラパラっ!と、エンジンに火がついた感じがありましたら、すかさずアクセルを少し煽ります。(やりすぎると止まります。)
これで、 ポポポンポンポンと、エンジンが調子良く回り始めるはずです。
なお、排気量の大きいバイクの場合、キックの仕方が中途半端だと、反動で戻ってきて、ふくらはぎをしたたか打たれることがあります。ケッチンといいまして、めっちゃ痛いです。
でも、カブくらいの排気量だと、ケッチンはビビるほどではありません。
暖機運転をする
見事エンジンがかかりましてもアクセルは少し開け気味でキープ。
すぐに戻すとエンジンが止まってしまいます。
チョークレバーも、いきなり戻さず、少しづつ戻しましょう。
回転が落ちすぎて止まりそうにならない程度に、ジワジワと戻していきます。
アクセルとチョークをすっかり戻しても、安定してエンジンが回っておれば暖気完了。走り出して大丈夫です。
この手の古いマシンは、一台一台に癖があるので、慣れが必要ですね。
ちなみに暑い夏場は、チョークを引くと燃料が濃くなりすぎてエンジンが止まりますので注意です。
キックスタートでかからない場合
何度キックしてもかからない!
キックスタート失敗、という場合は、アプローチを変えてみるのも一つの方法です。
燃料を確認
久しぶりに乗ろうとした時に、実はガソリンが空っぽだったということはありえます。
燃料コックがオフになっていたということもありますので、ガソリンの残量とコック位置を確認いたしましょう。
ガソリン残量を示すメーターはありませんので、タンクの蓋を開けて、左右に揺すってチャポチャポいうか確認すると良いです。(火気厳禁)
押しがけをしてみる
キックでエンジンが回らないのなら、タイヤを回して、無理やりエンジンを目覚めさせるという手があります。
下り坂があれば楽ですが、小型バイクなら押しがけもそう苦労しません。
普通のリターン式ミッションのバイクなら、2速か3速くらいにギアを入れて、クラッチは握ったまま、バイクを押して走ります。
スピードが乗ったところでバイクに飛び乗り、クラッチを繋げるとエンジンがかかります。
ロータリー式のカブの場合は、クラッチがないので、ロータリーペダルを軽く踏んで、ギアが噛み合っていない状態をキープしてバイクを転がしていって、スピードが乗ってきた時に踏み込んでギアを入れるとよい、と聞きましたけど、なかなか難しいです。
プラグを乾かす
なんども始動に失敗すると、プラグがガソリンで濡れてしまって点火しにくくなることがあります。
プラグがかぶる、というのですけど。
プラグコードを手で引っこ抜いてから、プラグレンチでプラグを外してみます。
プラグがガソリンでベタベタになっているようなら、台所のガスコンロで、2,3分ほど熱してみるとよいです。
ティッシュやウェスで拭いたくらいじゃ乾きませんので。
ついでなので、煤が溜まっていたら、ワイヤーブラシなどで磨くと良いです。
プラグがきれいな状態になったら、またはめ込みまして、プラグコードを上からかぶせ、最初の手順からやり直しです。
(プラグを外したり取り付けたりするときは、モンキーレンチなどで代用しないで、ちゃんと専用のレンチを使いましょう。)
プラグがもう消耗しきっていたら、新品に変えたほうが良いかもしれません。
これでもかからないとしたら、もうお手上げ!
どこか故障しているかもしれないので、バイク屋さんで見てもらいましょう。