春と秋に全国交通安全運動が行われますね。期間中は各地で安全運転の講習会が開催されます。
私がかつて受講した、最強と思えるバイク・二輪車のための安全運転講習をご紹介いたしましょう。
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安全運転中央研修所(茨城県)の厳しい安全運転講習の体験レポート
私が受けた史上最強と思われる安全運転講習は、茨城県ひたちなか市にある自動車安全運転センター・安全運転中央研修所での講習でした。
私は牽引や大型二種まで免許を持っておりますし、自動二輪専門の教習所の体験などもしてまいりましたが、ここほど実践的で高度な安全運転講習は他に知りません。
安全運転のためではありますが、ちょっと危険じゃなかろうかという体験もさせてくれます。
運転免許試験場や警察署での免許更新の時でも、事故のビデオを見せられますが、こちらでは実地に人身事故の模擬体験までさせてくれます。
どちらかというと、一般のドライバー・ライダーむけというより、職業として自動車運転に関わる人を対象とした研修所ですが、幸いにも若かりし頃に受講することができましたので、その時の体験を書いてみます。
交通事故が多くて大学から参加させられました
だいぶん昔の話になりますが、通っておりました大学の正面で、二輪事故が多発していたもので、学校から安全運転講習の参加者の募集があったのです。体育会に在籍している学生対象でした。(乱暴な運転が多かった?)
希望者はあまりいなかったのですが、私は大喜びで手を挙げまして、バイク好きの友人たちと一緒に参加しました。
京都から茨城県まで、電車に乗ってはるばると、新幹線の特急券をケチって在来線でまいりました。
私の大学からの参加者は、10人もいなかったと思います。他の参加者は、婦人警官や、現職の自衛隊員などでした。
私がここで受けた講習は、現在とは違っているかもしれませんが、このような内容でした。(25年前です)
高速周回路コースで時速200km体験
こちらの研修所では、そこらの小学校や市役所でやっているような座学だけの講習じゃなくて、実技が中心です。
原付2種・小型バイクではまず経験できない世界、時速200kmほどの高速走行体験ができます。
(80km/hまでしかでないベンリィ。1万キロ突破記念写真)
当時は大型免許を持っておりませんでしたが、研修所内は公道ではないので、どんなバイクでも選ぶことができました。当時250ccのオフロードバイクに乗っていた私は、憧れのナナハンをチョイス。
周回路は一周5kmです。
教官が先頭を走り、私はすぐ後ろのポールポジションに付きました。最初は慣らしで100km/hほどで周り、だんだん速度を上げていきます。緩やかなカーブなので、ハングオンなどする必要は全然ありませんけど、普段体験していない速度でのコーナリングは、おっそろしいです。
安全運転中央研修所 茨城の教官が厳しい
教官は、どんどんスピードを上げて、遅れがちな私の方を振り向いて、もっとスピードを上げろ!と、片手を離して手招きするのです。
教官は茨城弁でユーモラスな方でしたが、実地では厳しいです。
スピードメーターを見る余裕はないんですけど、180km/hを振り切っておりました。
猛烈な風圧を真正面から受けると、借り物のジェットヘルが、ぐいぐい後ろに引っ張られるのです。けっこうしっかり締めたはずですが、後ろに飛んでいきそうで恐ろしかったです。
死を間近に感じた高速講習でした。
模擬市街地コースで人身事故体験
おっそろしい高速体験の後は、慣れた市街地走行です。ホッと一息、舐めてかかっておりました。
横断歩道とか信号機がある、一般的な教習所のようなコースですが、建物に見立てた壁があり、見通しの悪い部分が意図的に作られています。
走行経路だけ言い渡されて、走っていると、とつぜん影から子供が飛び出してくるのです!
もちろんダミーではありますが、婦人警官の受講者が、キャー!!とかいいながら、ブレーキが間に合わず、轢き殺しておりました。あかんやん。
私は、それを見てからの走行でしたので、子供が飛び出してきても、慌てることなく、ぴたっと止まることができました。
ふふふ。俺はひっかからないぜ。と思って、調子良く走り出した瞬間、二人目の飛び出しが!
私は急ブレーキをかけて、見事にひっくり返ってしまいました。でもまあ、子供には当たっていないので、婦警さんよりはマシかな。ちなみにバイクには、ひっくり返ってい大丈夫なようにロールバーが組まれております。
市街地走行は危険がいっぱいということを体験できました。
ところで、25年後のつい最近、私は車で走行中、道を歩いていた亀を踏んづけてしまいまして、注意力と判断力が鈍っておると反省しているところです。より安全運転を心がけます。南無阿弥陀仏。
スラローム・八の字・一本橋
こちらは、普通の二輪教習のようなコースですが、何周も何周もグルグル走って、運転技能を向上させる訓練です。
いちどに何人も走るので、追いつかれたら、直線のところで譲りなさいというルールでしたが、ついつい忘れて渋滞を招いてしまいました。
自衛隊員の人で、ものすごく上手い人がいて、コーナーの立ち上がりで大型車の前輪を浮かすように加速する人がいて、びびりました。自衛隊ってやはりすごいです。大型バイクが自転車のようです。さすが日頃、戦車とか動かしているだけのことはありますね。
最後に白バイ隊員の模範走行を見て、さらにビビることになるのですけど。
一本橋の上でじっと動かないとか、静止状態からいきなり180度方向転換するとか、神業のようでした。白バイからは絶対に逃げられないと感じた次第です。
モトクロスコース
山の斜面をタイヤを滑らせながら走るコースです。バイクは、オフロード車に乗り換え。
ここは私、ちょっと得意でした。日頃から、京都の山奥の林道など走り慣れていたので、後輪を滑らしながら走るのは好きだったのですよ。
他の受講生が(自衛隊員除く)、タイヤを土砂にとられて悪戦苦闘しているところ、教官から「おっ、ながながうめえなあ!」と、茨城弁で褒めていただきました。
当時は体験しませんでしたが、現在はトライアルコースもあるようです。こちらもやってみたかったなあ。林道では丸太越えとかよくやっておりましたので。
中央交通安全研修所の申込み方法
私達は大学を通じての参加でしたけど、個人での申し込みもできるようです。
>>研修申込み方法
かなり高度で実践的な研修、費用や時間もかかりますので、相当根性を入れて取り組んでいただきたいと思いますが、そんじょそこらの自動車学校では体験できないことを、まとめて体験できます。
25歳までの若者対象です。二日間コースなので、夜は楽しく、他の受講者との語らいもできます。食堂もあって施設内で食事もできます。
婦警さんたちとの語らい、楽しかったです。青春の思い出です。
おっさんのリターンライダー向けの講習はないのですが、業務上バイクを使う人向けの講習はありますので、年配者はそちらに参加するのがいいのではないでしょうか。
>>特定業務運転者過程(二日間コース。一日コースもあります)
運送業や介護も対象になっておりますので、新聞配達やヘルパーさんでもOKでしょう。通勤に使うのでも、業務と言えないことはないですものね。詳しくはお問い合わせください。
研修に関するお問い合わせは
中央交通安全研修所 電話:029-265-9560